魔境(まきょう)という言葉をご存知でしょうか。
魔境とは主に、昔から修験道や霊能力者など精神的な悟りの修行を行う人や組織の間で陥りやすいと言われている、過度にスピリチュアルな意識が拡大した状態のことを指します。
簡単にいうと、生悟り、中途半端な覚醒体験のことです。
この状態にある時、多くの人は恍惚感や解放感・無の状態による万能感や全能感などを経験します。
具体的には、狐憑きだったり魔物が憑いていたり、そういう表現をされることが多いですが、こういった自分の意識よりも拡大した存在やエネルギーによる憑依は、スピリチュアルや占いなど目に見えない世界に興味のある人にとっては意外とよく起こっていることなのです。
例えば、天使のエネルギーや神様のエネルギーなども、一種の憑依です。
そのエネルギーが良いものなのか悪いものなのかによって、神がかりと呼んだりまたは悪霊つきと呼んだりして区別しますが、原理的にはさほど違いはありません。
魔境に陥るのは、実は誰にとっても身近なものです。
分かりやすいのは、負の感情が蓄積された結果出来る呪いのようなエネルギーや存在(エンティティ)です。
これは他人を恨んでいる時のような外側に向かうものだけではなく、自責の念や後悔など内側に向かうエネルギーでも発生します。
また、逆に一見すると良いものに見えるエネルギー存在もあります。
引き寄せの法則のマスターやスピリチュアルティーチャーが発しているエネルギーや、集団的エネルギー(多数の人の思念や思考によって真実となっているもの)です。
ただ、どんなエネルギーもそれ自体が存在するのは自然ですし、自覚出来ていればそこまで怖いものではありません。
危険性が高くなるのは、そのエネルギーを自覚していないことが常態化してしまっている時です。
自覚がなければ対処が出来ません。
精神的な症状に第三者のいるカウンセリングやセラピーが必要になってくる理由は、本人が自覚出来ていない要因を発見しやすくするためです。
魔境の対処も同様で、通常は師匠や先輩弟子にあたる人から指導を受けます。
誤解しないでもらいたいのは、未熟だから自分以外の誰かの助けが必要、というわけではないということです。
それぐらい、憑りつかれた場合の自分と魔境的存在(エンティティ)の境目って意外に分かりにくいものなのです。
見分け方
魔境の状態で目に見えない世界のエネルギーと関わってしまっているかどうかの判断基準ですが、確実に見抜く方法の一つとしては
客観的な判断が出来る、有識者に見てもらう
というのが確実です。
・・・と言っても、この分野に実際に関わったことのある人でないと判断は難しいでしょう。
特に、相談される側の人が精神世界の分野を究めようと学んでいる最中の人の場合、「お前が魔境の状態になっとるやんけ」な人もかなりの数いると思います。(笑)
いや、笑い事じゃないんですが、純粋で信じやすい人は気付けていない人が結構いると思います。
自分は大丈夫、と思っている人ほど要注意です。
スピリチュアルな世界では現実世界のルールや法律が一般的には存在していないため、世の中には本当に色んな状態の霊能者やマスターがいる、と認識しておいたほうが良いです。
もし身近に有識者がいないようでしたら、月並みなアドバイスですが一般的に有名で古くから続いている由緒あるお寺や神社でお祓いを受けたり、相談してみてください。
もし、自分が良くないエネルギー状態に傾いているようであれば、しっかりグラウンディングさせてくれるかと思います。
場合によっては「いつも神様の声が聞こえる?何馬鹿なこと言ってんの(お坊さんや神職の方は、地に足の着いたエネルギーをたくさん持ってる方が多い)」というようなことを言われてツラいかもしれませんが、毎日の生活の中でいちいちそういった存在の声が聞こえているとしたら、それは「言われて気づけて良かった」と思っていいことだと思います。
特に、自分自身がスピリチュアルなことをやっている方は、定期的にスーパービジョンの役割を果たしてくれる人や場所に援助や客観的アドバイスをもらうことをおススメします。
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