最近、経済の本ばかりを読んでいます。なぜかというと、世の中のお金に関する専門的な勉強はあまりしてこなかったので、「その辺りの知識が薄いなー」という自覚があったからです。
私は基本、クライアントさんにとって有益になりそうな情報は何でも調べます。占い師というより、コンサルタントみたいになっていることもたまにあります。(スピリチュアル的な話をすると、私のハイアーセルフは情報を扱うのが専門)
そういうわけで、占いは課題を解決するための道具(情報)のひとつだと考えています。なので、他のこと(現実)も満遍なく勉強し体験しています。私は占いやスピリチュアルというツールを通じて、クライアントさんたちが自分らしい生き方や才能を発揮することを通して、地域・世界・地球全体が良くなっていく現実を共に生きたいと思っているからです。
それで、この前置きがどう今回のタイトルと繋がるのかというと、「自分には価値が無い」という自分に対する主観の原因がどこから来ていたのかについて、私は現在までの経済の歴史や仕組みを勉強しているうちに気付いたから、なのです。
特に、私が自分自身の無価値感について深い関りがあると感じたのは、今から説明する「資本主義系座の仕組み」についてです。ちょっと長く、退屈な話になるかもしれませんが、良かったら読んでみてください。すごく単純にではありますが、分かりやすいように資本主義経済の流れについても説明しています。
そういう話は読むの面倒くさいor資本主義経済のことならすでに分かっている、という方は目次から「人から見下される=経済的に苦労する~」まで飛んで読んでください。
この私の体験談が、あなたのお金や自己価値に関するブロックが外れる一つのキッカケになればと思います。
注:資本主義経済の持つネガティヴな面を主に書いていますが、この記事の主題は「資本主義経済の影響によって出来たであろう、心理的にネガティヴな思い込みを手放す」ことです。よって、資本主義経済の全てを否定する目的で書いている記事ではないことを予めご理解いただきたいと思います。
また、資本主義経済下における心理的な影響は個人の出自や生来の性格により異なる点もご留意ください。
資本主義経済の負の側面が人々の無意識に与える影響
資本主義経済というのは、すごく単純化した表現をするなら「お金・利益が全て」の経済のことを指します。会社や人が地域や社会全体に対してどういう影響をもたらしたか、ではなく、どれだけ短期間でたくさん儲けたのか?が評価される経済と言ってもいいでしょう。
資本主義経済の具体的なイメージとしては、昔、2008年にリーマン・ショックというのがありましたね。あれは、何かとっても数学が出来る人達がなんやかんや(金融工学)して、実際の仕組みはめちゃくちゃだけどお金だけは儲けることが出来るサブプライムローンという証券をつくったことが原因で起きたことなんだそうです。(もっと詳しい説明は参考書籍を確認のこと)
※参考:新井和宏.「リーマン・ショックは必然だった」.『持続可能な資本主義』.ディスカヴァー・トゥエンティワン,2017,p.270-287(注:Kindle版のページ数です)
「富める者はますます富み」の資本主義経済システム
よく、資本主義経済を説明したものの本の中で、資本主義経済とは「マネーゲーム」と言われます。資本主義経済の利益の仕組みとしては、これも簡単に言ってしまえば他人に自分から借金させて、後でその利息をもらうということです。(ここでは話を分かりやすくするために、資本主義というものについての一つの側面としてこの説明をしています。)
例えばクレジットカードを使ったことがある人なら分かりますよね。お買い物のときに、現金払いする代わりにカード会社に先に払ってもらう。そして、後からカード会社にお金を支払うという仕組みがそのまま資本主義経済と同じような意味です。カード会社は、この「一時的にお金を立て替える」時に発生する利息分を利益にしているわけです。
つまり、このカード会社が一時的に立て替えられる金額がたくさんあればあるほどたくさんの人にお金を貸すことが出来るので、結果的にカード会社は儲かるのです。つまり純粋な等価交換ではなく、元手を使って余剰分をいかに増やすかを考えながら行う経済活動が資本主義経済というものです。
ちなみに現代で資本主義経済の問題点として挙げられているのが、利益としての余剰分を増やすために様々な問題・資源の採り過ぎによる環境破壊や、安い労働力での搾取などが起こっているという点です。
人から見下される=経済的に苦労する、という価値観
さて、ここでようやく最初の話に戻ります。この、私が子供時代から経験していた今までの資本主義経済というのは、他人からみて魅力的な商品であるか・それが新たな利益を生み出すかどうかに重点が置かれる経済でした。乱暴な言い方をすれば資本主義経済の考え方の多くは、人間一人一人を見ているのではなく、生産力の一部の部品として見ているのです。
「金のなる木」や「金の卵を産むニワトリ」でも何でもいいですが、そういう会社や人物こそがもてはやされるのだ、必要とされる世の中なのだ、という当時の集団的無意識の持つ観念は、幼い頃の私の無意識下に強烈な「価値のある人間にならなければ、人から見下されて搾取される側になる」という恐怖を植え付けました。
(もしかしたら、私の場合は占星術的に見れば、蠍座2ハウスでテイル・冥王星・金星が合なので、前世からのトラウマでもあるかもしれません。)
大人になった私にとって問題だったのは、その「価値のある人間」という条件が一定の、平等な基準で測定できるものではないというところでした。学生時代はまだ、成績という目に見える評価システムがあるので助かります。人と喋らくなても、明確に数値化される試験の勉強だけ頑張っていれば周りが勝手に自分に対して良い印象を持ってくれるからです。
大人になってからは行く先々で他人からの評価が気になって仕方がありませんでした。社会人は学生と違って、仕事での努力や行動=即評価というシステムがほとんど存在しません。自分の本意ではないことに合わせてでも、他人からの同意が得られなければ社会的な信用が無くなって、即経済的に困窮してしまう、という思い込みがあったのです。
複数の、大勢の他者からの信用が付けばつくほど、機会やお金というのはそこに集まります。ですが、人から信用を得ると言うのは一朝一夕で出来るものではありません。ですので、みんなとりあえず簡単に信用できる理由を思いつく物事のことを信じるようになります。ある意味、お金持ちをお金持ち足らしめているのは、その周りにいる人々が「そうだ」と信じているからに他ならないのです。
そして恐ろしいことにこの思考の流れは、よくよく見てみると資本主義経済の持つ負の側面ととてもよく似ているのです。さらに言うなら、このような思い込みを持っているのは私一人だけではなく、大勢の人が共有して持っている思い込みのはずです。
お金は人の心理の醜い部分を暴く
私達が権力者やお金持ちに対して無意識に憎悪を感じやすい理由も、おそらくここら辺に原因があるような気がします。
お金や豊かさが欲しいから、表面上は擦り寄ったり「尊敬してる」など言ったりしますが、本当は自分より秀でたものを持っている他者のおこぼれが欲しくてそんな態度をしている人もたくさんいます。
ただ、こういった考え方や感情は普段大っぴらにするものではありませんから、お金というものの話題に対してはみんな慎重になる傾向があります。なぜなら、お金に対する考え方は、その人の人間性と切っても切れない関係性があるためです。
生きるためには、質の良い生活を維持するためには、人からの良い評価・関心や注目が必要になる。そのためにはある程度手段を選ばない人もいれば、気の弱さや不器用な性格から他人にその機会を譲ってしまう人もいます。
しかし、あまりに人に嫌われたり軽蔑されるようになってしまうと自分のところにはお金が来なくなってしまうので、お金持ちと言われる人達は自然と表面上を取り繕う術に長けるようになります。そしてそのことがさらに、お金持ちに対する偏見や嫌悪を引き起こすのです。

まとめ:お金や評価が先ではない、ということに気付く
私は今までお金がお金として機能する理由は、お金が暗黙の信用で成り立っているからということを知識として知っていても、実際に身を持って分かっている感覚が今までなかったので、このように資本主義経済について勉強することはとても役に立ちました。
また、今までの私は「お金にならないから価値が無い」「人から目に見える評価をもらえないから、自分がやっていることには価値が無い」と精神的に自分自身を追い込んで塞ぎ込んでしまう時も多かったのですが、自分の個人の人格と他者からの評価の関係性を切り離して冷静に考えることができるようになりました。
お金は生きていくうえで大事ですが、お金や経済状態の良し悪しで自分の価値を決めるのは自分を不要に苦しめることになります。さらに皮肉なことですが、そのようにして自己イメージが下がるとお金の流れも悪くなり、良いことがありません。
ある程度大きな成果や野心を達成したいなら長期の忍耐も必要かもしれません。しかしいずれにせよ、「自分は無価値だ」という価値観は、自分の魂からエネルギーを奪い続けることになり、結果的に満足いく行動が取れなくなる可能性があります。
自分は価値のある人間だ、というのはどんな時も最初のスタートとすべき部分です。お金や評価による結果ではなく、それの元の原因としてあるべき価値観なのです。

今自分は何らかの無価値観を感じている、という人は一度思い切ってその思い込みの原因になっている感情や記憶と向き合ってみてはいかがでしょうか。
一度に劇的な変化は期待できなくても、少しずつでも良い方向へ意識が向かうことによって、長期的には必ずいい結果をもたらしてくれるはずです。
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